その代償を金額で残すべきです。

3月 14th, 2012Posted by admin

風俗業界用語のひとつだと思うのですが、「転々虫」という言葉があります。これは、風俗店を転々として働いている女のコのことをいいます。3日働いたら、店に連絡もせず辞め、また新たに違う店に入店するという具合。一般社会では考えられませんが、風俗業界では「仕方ない」とされている部分です。 仕事なのだから、辞める時はひと言、お店に言うべき。私は、この仕事をする前では、どんな仕事でも、そうあるべきだと思っていました。 でも、最近、「仕方ない」のかな、とも思うようになりました。それはこんなことがあったからです。 ある風俗店に取材に行くと、以前、インタビューをした女のコに再び会ったのです。対面した時、女のコが「あっ」という顔をしたので、「ああ、あの時の…」と声をかけると、そのコはヤバイという顔をしました。 そのコは以前は、ソープランドに在籍していましたが、再び、私にあう頃には、デリバリーヘルスで働いていたのです。 世間話をしながら、インタビューを始めると、「あの、以前も取材してもらったことありますよね?」と言われました。そうですね、と答えると、彼女は一気に暗い顔になりました。 話を聞いてみると、彼女は1つの店に1ヶ月以上、在籍したことがないというのです。お金が必要で働いているが、働きだすと強烈な鬱になり、当日欠勤や無断欠勤を繰り返す始末。早く、お金を稼いでやめたいのはやまやまだが、働くのが嫌になるのだそうです。そりゃそうだ、いまさっき会った人と、5分も経たずに抱き合い、性器を見せ、粘膜を擦り合わせないといけないのだから。しかし、だからこそ得られる「高収入」なわけで。 3日働くと、店を飛び、手元の金がなくなるまで、何もしない。3日で10万稼いだら、10万が尽きるまで、働かない。店で会う、客のことを考えると、嫌悪して吐きそうになる。彼女はそう言うのです。 こういうコがほとんどではないと思いますが、いわゆる転々虫で高収入求人業界は持っているんではないかと、最近考えます。店を探すコがいるから、私たちは求人をバラ巻いている。そんなコたちは何度も、私たちが作った求人誌を見ているので、「稼げる店」と「稼げない店」の区別がついていると言えます。求人誌を見て応募して、当たったと思うこともあれば、外したと思うこともあるのでしょう。転々虫の女のコは稼げない店を見極める術を知っています。 ありがたいと思うべきなのか、悲劇と思うべきなのか、私にはわかりませんが、どんなかたちであれ、手にとってくれる人がいるということですよね。どんな使われ方をされようとも。 お金を稼ぐ以外で、風俗で働く意味ってなんなんですかね。たまに、そんなに転々としてたら、1ヶ月20万くらいの稼ぎじゃん! と思うんです。 私は、風俗で働く女のコには必ず稼いでから辞めて頂きたいと勝手に思っております。せっかく、普通では体験できないような方法で稼ぎ、普通では稼げないような金を手にするのですから。 その代償を金額で残すべきです。

エピソード1

2月 21st, 2012Posted by admin

高収入求人誌に必ずといっていいほどありますが、現場で働く女の子のインタビュー記事があります。AVプロダクションや風俗店へ直接出向き、その場で写真を撮り、仕事内容などを訊くというやつです。 いまでこそ、慣れましたし、カメラマンも一緒なので、取材もスムーズにこなせるようになりました。しかし、風俗店の風景は私には不思議な場所に思えます。 例えばですが、取材の場所までいくと、それと思われるビルの窓に18禁マークがペタッと張り付いていたりします。店名はもちろん事前に聞いていますが、看板らしきものはたいてい出ていません。18禁マークのある階に店舗の受付が場合が多いです。 黒い蝶ネクタイをしたスタッフに案内され、パーテーションで区切られた小部屋に通されす。取材者を待っている間、カメラマンと、次に就職するなら上野動物園のパンダの中身になりたいね、なんて雑談をして時間を潰します。すると、黒い蝶ネクタイをした男子従業員がまた、とことことやって来て、必要以上に丁寧に「大変、申し訳ございません。女のコがお休みになってしまいまして……、変わりに別の女の子で取材でも大丈夫でしょうか?」と聞いてきたりするのです。 問題ないので、大丈夫ですと伝えると、“今さっき犯されました”というような姿の女の子がやってきました。彼女は、在籍する女のコの中でも、特にハードなサービスを売りにしている女の子のようです。 髪はかき乱されたのか、毛先が意志を持ったように四方八方へ散り、腕には縄の痕がはっきりと残っています。目の下はマスカラが落ち、真っ黒になっていて上野動物園のパンダのようです。頬のファンデーションは落ち、なめくじが這ったあとのように、テカテカとしたスジが顔に数本ありました。 女の子は無邪気に「SMコース90分だったんで~、お化粧でボロボロですみません~」と言います。オプションプレイでAFもあったようで、お尻のあたりを痛そうにしていました。 インタービューを始めると、女の子は楽しそうに話し出しました。お金のために働いているけれど、心底、仕事が好きなのだと彼女は言います。ひどいことをされているようなのに、風俗の仕事はとても楽しいのだと、私に言うのです。 彼女には、ヴィジュアル系のバンドのヴォーカルをしている彼氏がいて、その彼のバンド活動を支えるために風俗で働いているそうなのです。 彼とは、忙しくて月に1、2回程度しか会えないのだけれど、会えば、とびきりカッコよくて、彼のバンドが大きくなるならと、お金を渡してしまうのだそうです。 不思議なことにこのような女の子にたくさん出会いました。誌面には、彼氏のために風俗で稼いでいます、書けないので、「夢のために」「目標のために」と書いています。